2/24 14:00〜 MONO『地獄でございます』@HEP HALL

『地獄でございます』

遅くなりましたがご報告。
一言で表現するならば、「見事な心理ゲーム」。表面のやりとりを楽しみながら、それぞれ心のなかでは何を考えているのやら……とにやにやさせていただきました。
舞台はタイトル通り「地獄」、なんですが、一見小綺麗なサウナ。ロッカールーム、仮眠室もついてます。ただ、真ん中にはでーんと「等活湯」と彫られた石ベンチ。サウナがものすごい熱くてとても入れたものではないみたい。つまりサウナ風等活地獄ってことです。時代の変化にあわせて、獄卒がむりやり地獄へ落とすのではなくて、自主的に反省して自分から地獄へ入るように仕向けるシステムに変わったらしいです。
ここで出会った5人の男。出張中の会社の同僚3人組、ヒキコモリの妙に暗い男、逆に自己主張激しすぎてうさんくさい男。実はそれぞれの死因にお互いが関係している。
要するに「地獄へ入るか入らないか」を巡る5人の男と獄卒(ちなみに5人の男と同じ役者が演じてて「自分の担当している人間と同じ姿になる」設定)との心理戦であり、さらに5人の男それぞれの間の心理戦でもあるこの芝居。最初に書いたとおり見事な心理戦でした……。5人の男サイドは。獄卒側のシーンの作りこみが甘かったのが残念。5人の男と獄卒を同じ役者が演じる効果を利用できたらよかったのにね。単に「役者が5人だから一人二役した」だけなんだと読めちゃった。それがダメなんじゃないけどさ、もったいないなぁ!